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研究部について

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教授ご挨拶

教授ご挨拶

 当研究部は世界でもまだ少なかった遺伝子治療に特化した研究室として1995年にスタートしました。それから四半世紀もの月日が経ち紆余曲折を経て、当時初期段階だった遺伝子治療という治療技術も日本でも臨床応用が始まりましたが、同時にいろいろな問題点も明らかになってきました。例えば最近になって、従来安全とされていたアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)やレンチウイルスベクターを用いた遺伝子治療の臨床試験で合併症事例が報告されています。ただ、黎明期と違うのは、事前に十分な利益相反調査と患者さんへのインフォームドコンセントを準備し、更に実際の事例数も少なかったため、直ちに全面的ストップとはならず開発が続行されている点です。これは初期の開発段階から世界中の研究者、医師が絶えず努力を重ねてきた結果と考えられますが、まだまだ安全性において完全ではない点、遺伝子編集をはじめ今後更に研究開発を進めるべき新技術が出現している点などから、遺伝子治療関連分野には研究すべき課題が山積しています。
 当研究部はスタート当初から先天代謝異常症の中でもライソゾーム病を主なターゲットとし、近年では膵がんなどの悪性腫瘍に関連する研究も行っており、「将来の患者さんのQOLに役立つ研究」をモットーにin vitroから臨床に向けた研究開発まで幅広く対応しています。共同研究や大学院・ポスドクとしての参加など、ご興味のある方は是非ご連絡下さい。

遺伝子治療研究部 教授

小林 博司

沿革

1995年 衞藤義勝・東京慈恵会医科大学小科学講座教授、大野典也・同微生物学第一講座教授が、東京慈恵会医科大学・総合医科学研究センター内にDNA医学研究所を設立。同時に同研究所内に遺伝子治療研究部門を創設し、大野教授がDNA医学研究所所長、衞藤教授が初代遺伝子治療研究部門長(部長)となる。
設立当初は旧大学2号館の2階に在り、主任研究員として大橋十也先生、吉村邦彦先生が任命される。
2000年 肺がん遺伝子治療臨床試験を東京慈恵会医科大学でも施行(多施設共同研究・日本で4施設目)
2002年 設置場所が現在の東京慈恵会医科大学1号館13階に移動
2003年 大野教授退任に伴い、衞藤教授がDNA医学研究所所長に就任。
2005年 衞藤教授 第11回日本遺伝子治療学会 学術集会会長(慈恵医大1号館講堂)
沿革1
DNA研時代の研究室風景

前列左から、沈勁松先生、衞藤名誉教授、教仙サンドラ先生、孟興麗先生、鈴木英明先生(現東京慈恵会医科大学 教育センター)

後列右から、森田麻子さん、金城栄子さん、飯塚佐代子さん、松本啓先生(現東京慈恵会医科大学 腎臓高血圧内科)
2008年 衞藤教授退任に伴い、大橋十也教授が遺伝子治療研究部・部長に就任
2014年 東京慈恵会医科大学内の改組によりDNA医学研究所が改組され、総合医科学研究センター・遺伝子治療研究部となる。
同年、大橋教授が総合医科学研究センター・センター長に就任。
沿革2
大橋十也・東京慈恵会医科大学教授
(現看護学科 健康科学 疾病・治療学教授)
2016年 大橋教授 第22回日本遺伝子細胞治療学会 学術集会会長(虎ノ門ヒルズ)
沿革3
2019年 大橋教授が東京慈恵会医科大学副学長(研究担当)に就任
2021年 大橋教授退任に伴い、小林博司教授が部長に就任。